
動悸とは?
動悸は、心臓の鼓動を強く感じる症状で、以下の点が共通して説明されています。
動悸の主な原因
不整脈
動悸の主な原因の一つに不整脈があります。不整脈とは、心拍のリズムが乱れる状態を指します。比較的軽微な原因では、期外収縮があります。多くの場合ごく短時間で終わり、呼吸を整えることで改善することがあります。しかし、頻度が多かったり、他の症状を伴う場合は、重大な病気の兆候である可能性があります。
頻脈
頻脈とは、心拍数が1分間に100回以上になる状態を指します。心臓が原因の場合もあれば、心臓以外に原因がある場合もあります。また、過労やストレスによって引き起こされることもあります。頻脈が続く場合は原因疾患を特定し適切な治療が必要です。
甲状腺の異常
甲状腺の異常により甲状腺ホルモンの分泌量が変化します。それにより自律神経や代謝が影響を受けることで、頻脈や徐脈を引き起こし動悸の原因となります。
徐脈
徐脈とは、心拍数が1分間に60回未満になる状態を指します。洞不全症候群や房室ブロックなどが原因となることが多く、心臓のペースメーカーが正常に働かないことによって起こります。徐脈が持続すると、めまいや失神、重症の場合は心不全を引き起こすことがあります。
貧血
貧血は血液中の赤血球やヘモグロビンが不足し、全身に十分な酸素が供給されない状態です。これにより、心臓が代償的に速く鼓動することで動悸を引き起こします。特に鉄欠乏性貧血が多く見られますが、ビタミンB12欠乏や慢性疾患による貧血も原因となります。
ストレスや不安
精神的なストレスや不安も動悸の原因となることがあります。交感神経が刺激され、アドレナリンの分泌が増加することで心拍数が上昇します。ストレスのコントロールは動悸の予防において重要です。
動悸に伴う注意すべき症状
胸痛や胸の圧迫感
動悸とともに胸痛や胸の圧迫感を感じる場合、心筋梗塞や狭心症の可能性があります。これらは速やかに医療機関を受診すべき症状です。
息切れや呼吸困難
動悸と一緒に息切れや呼吸困難を感じる場合、心不全や肺の疾患が原因であることがあります。このような症状が続く場合は、早急な診断が必要です。
めまいやふらつき
動悸とともにめまいやふらつきがある場合、心臓から脳への血流が不十分になっている可能性があります。特に立ちくらみや失神を伴う場合は注意が必要です。
冷や汗や吐き気
これらの症状が動悸とともに現れる場合、重大な心疾患の兆候であることがあります。特に急激な発症の場合は緊急性が高いです。
動悸の診断方法
心電図検査
心臓の電気的活動を記録し、不整脈の有無を確認します。標準的な心電図検査に加え、負荷心電図検査も行われることがあります。
24時間ホルター心電図検査
小型の心電図装置を装着し、日常生活中の心電図を24時間記録します。これにより、一時的な不整脈の検出が可能になります。
甲状腺の検査
採血や超音波検査が有用です。
心臓超音波(心エコー)検査
超音波を用いて心臓の構造や機能を評価します。心臓に器質的な異常がある場合にも不整脈が起こることがあります。また不整脈による心臓の機能への影響も把握することができます。
動悸の治療方法
薬物療法
不整脈や基礎疾患に対する薬剤の投与が行われます。例えば、β遮断薬や抗不整脈薬が一般的です。
生活習慣の改善
食事や運動、ストレス管理など、生活習慣の見直しが推奨されます。カフェインやアルコールの摂取を控えることも有効です。
カテーテル治療
薬物療法で効果が得られない不整脈に対して、カテーテルアブレーションが行われることがあります。これにより、異常な電気経路を取り除くことが可能です。
動悸の予防と管理
定期的な健康診断
心臓の健康状態を定期的にチェックすることが重要です。血液検査や心電図検査を組み合わせて行います。
適度な運動
適切な運動は心臓の機能を維持するのに役立ちます。有酸素運動が特に推奨されます。
バランスの良い食事
栄養バランスの取れた食事が推奨されます。特に、塩分(ナトリウム)の過剰摂取を控え、カリウムを適度に接種することが重要です。
ストレスの管理
ストレスを適切に解消し、心身の健康を保つことが重要です。リラクゼーション法や趣味を取り入れることが効果的です。
まとめ
- 定期的な健康診断や適度な運動、バランスの良い食事が予防に役立つ。
- 動悸は不整脈や頻脈、貧血、ストレスなど多くの原因によって引き起こされる。
- 胸痛や息切れ、めまいなどの症状を伴う場合は迅速な診断が必要。
- 診断には心電図検査や心エコー検査が用いられる。
- 治療には薬物療法、生活習慣の改善、カテーテル治療などが含まれる。