
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まる状態を繰り返す疾患です。これにより、睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下など、生活に大きな影響を及ぼします。
主な症状
- いびき
- 大きないびきをかくことが多いです。
- 日中の眠気
- 十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じます。
- 集中力の低下
- 仕事や学業において集中力が持続しにくくなります。
- 覚醒
- 夜間に何度も目が覚めることがあります。
- 頭痛
- 朝起きたときに頭痛を感じることがあります。
主な原因
- 肥満
- 首周りの脂肪が気道を圧迫することが主な原因です。
- 解剖学的異常
- 小さな顎や大きな舌扁桃が気道を狭くすることがあります。
- 加齢
- 加齢により気道の筋肉が緩むため、無呼吸が発生しやすくなります。
- アルコールや薬物
- アルコールや鎮静剤が気道の筋肉を弛緩させるため、無呼吸が起こりやすくなります。
診断方法
- 簡易検査
- 自宅で行える簡易的な検査で、無呼吸の回数や血中酸素濃度を測定します。
- ポリソムノグラフィー(PSG)
- 専門の施設で行う精密検査で、睡眠中の脳波、心拍数、呼吸パターンなどを詳細に記録します。
治療方法
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
- 特殊なマスクを装着し、気道に一定の圧力をかけて気道の閉塞を防ぎます。最も効果的な治療法とされています。
- 生活習慣の改善
- 減量:体重を減らすことで、気道の圧迫を減少させます。
- 禁煙:喫煙は気道の炎症を引き起こし、無呼吸を悪化させます。
- アルコールの制限:睡眠前のアルコール摂取を控えることが推奨されます。
- 口腔内装置
- 顎を前方に固定する装置を装着し、気道を広げる方法です。軽度から中等度の患者に有効です。
- 手術
- 扁桃腺や口蓋垂(のどちんこ)を除去する手術など、解剖学的異常を修正するための手術が行われることもあります。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると心血管疾患や高血圧、糖尿病などのリスクを高める可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。日中の眠気やいびきなどの症状がある場合は、専門医に相談し、適切な検査と治療を受けることをお勧めします。生活習慣の改善やCPAP療法などの治療法を通じて、睡眠の質を向上させ、健康的な生活を維持しましょう。